近代建築の5原則は、ル・コルビュジエが示した、新しい建築のつくり方をまとめた考え方です。柱と床で建物を支える構造によって、壁から自由になった設計が可能になりました。
5つは、ピロティ・屋上庭園・自由な平面・自由な立面(ファサード)・水平連続窓です。いずれも、壁で支えなくてよくなったことから生まれた近代建築の5原則です。
これらを実際の形にしたのがサヴォア邸です。試験では、5つの内容と、前提になる構造が狙われます。
| 原則 | 中身 |
|---|---|
| ピロティ | 建物を柱で持ち上げ、地上部分を開放して通り抜けや駐車に使う |
| 屋上庭園 | 勾配屋根をやめ、平らな屋上を庭として使う |
| 自由な平面 | 壁で支えないので、間仕切りを自由に配置できる |
| 自由な立面(ファサード) | 外壁が荷重から解放され、開口を自由にデザインできる |
| 水平連続窓 | 壁の制約がなくなり、横に長く連続した窓をとれる |
「持ち上げ(ピロティ)、屋上を使い(屋上庭園)、平面・立面を自由にし(自由な平面・ファサード)、横長の窓(水平連続窓)」とまとめられます。
5原則の土台になっているのがドミノ・システムです。柱(ピロティ)と床スラブ、階段だけで建物を支える構造で、壁が荷重を負わなくてよくなります。
壁が構造から解放されたからこそ、自由な平面・自由なファサード・水平連続窓が可能になりました。5原則は、この構造の上に成り立っています。
これら5原則を一つの建物で実現したのがサヴォア邸(1931年)です。ピロティで持ち上げられた箱、屋上庭園、自由な平面、水平連続窓がそろい、近代建築の代表作とされています。
一級建築士 計画では、ル・コルビュジエは作品・都市計画の問題でよく出ます。問題本文は公式PDFで確認できます。
| 年度・No. | 問われ方/引っかけ |
|---|---|
| 一級 平成29年 No.10 | 「パリのヴォワザン計画」=古い街区を大規模に取り壊し超高層へ建て替える提案(正しい記述) |
| 一級 平成30年 No.3 | ユニテ・ダビタシオン=ピロティのある高層集合住宅で店舗・ホテル・屋上庭園をもつ(正しい記述) |
| 一級 令和3年 No.2 | チャンディガール=格子状に分割した区域と7段階に機能分けした道路網(正しい記述) |
| 一級 令和7年 No.10 | 「アテネ憲章」=CIAM(1933)に基づき居住・労働・余暇・交通の4機能で都市を捉える(正しい記述) |
コルビュジエは作品・理論で頻出です。ユニテにはピロティ・屋上庭園という5原則が表れています。
近代建築の5原則を挙げると?
ピロティ・屋上庭園・自由な平面・自由な立面(ファサード)・水平連続窓の5つです。サヴォア邸で実証されました。
5原則の前提になる構造は?
ドミノ・システムです。柱と床スラブ、階段で建物を支え、壁を荷重から解放することで、自由な平面・ファサード・水平連続窓が可能になりました。
ル・コルビュジエの近代建築の5原則は、ピロティ・屋上庭園・自由な平面・自由な立面・水平連続窓です。柱と床スラブで支えるドミノ・システムを前提に、壁から自由になった設計を可能にし、サヴォア邸で実証した、と押さえます。
出典・参考
※ このページの確認日:2026年6月
まちがえやすいポイント
5つの内容がいちばん狙われます。ピロティ・屋上庭園・自由な平面・自由な立面・水平連続窓の5つです。
「勾配屋根」「壁式構造を前提とする」と書いてあれば誤りです。屋上庭園(平屋根)で、ドミノ・システム(柱と床スラブ)が前提です。