令和3年度 一級建築士試験 学科III(法規)No.4は、確認・検査・仮使用などの手続きに関する問題です。
この問題では、4つの記述のうち、誤っているものを選びます。
※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。上記は、その4つの記述で問われている論点を整理したものです。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | 敷地面積が増加する敷地境界線の変更で、変更後も建築基準関係規定に適合することが明らかなものは軽微な変更に当たり、再度の確認は不要(令3条の2)。正しい記述です。 |
| 2 | ×(誤り) | 延べ2,000m²でも4階建ての病院は法90条の3(令147条の2)の対象外。工事中の安全計画を届け出る義務はない。 |
| 3 | ○(正しい) | 用途部分200m²の診療所は法6条1項一号の特殊建築物(200m²超)に当たらないため、検査済証の交付前でも使用できる(法7条の6の制限を受けない)。正しい記述です。 |
| 4 | ○(正しい) | 共同住宅から寄宿舎への用途変更(確認済証交付済み)の工事完了時は、建築主事に工事完了届を届け出る(法87条1項。法7条の完了検査は準用されない)。正しい記述です。 |
選択肢2は、4階建ての病院に工事中の安全計画の届出を求める点が誤りで、法90条の3の届出は令147条の2の対象建築物に限られます。
選択肢2は「延べ2,000m²、4階建ての病院の避難施設等の工事中に使用する場合、仮使用の認定を受けるとともに、あらかじめ工事中の安全計画を作成して特定行政庁に届け出なければならない」としています。安全計画の届出の要否が論点です。
避難施設等の工事中にその建築物を使用するには、仮使用の認定(法7条の6)が必要です。ここまでは選択肢のとおりですが、それとは別の制度として、工事中の安全上・防火上・避難上の措置に関する計画の届出(法90条の3)があります。
この安全計画の届出が必要な建築物は、令147条の2で限定されています。避難施設等の工事をする特殊建築物のうち、階数が多い大規模なもの(おおむね5階以上等)が対象です。4階建ての病院は、延べ面積が2,000m²あってもこの規模に届きませんから、安全計画の届出は不要です。仮使用の手続きと安全計画の届出を一緒くたにせず、規模要件を確認するのがコツですね。工事中の安全計画の届出(法90条の3)は規模の大きい建築物だけと押さえておきましょう。
延べ2,000m²・4階建ての病院の避難施設等の工事中に使用するとき、工事中の安全計画を特定行政庁に届け出る必要はある?
ありません。法90条の3の安全計画の届出は令147条の2で定める規模の大きい建築物が対象で、4階建ての病院は含まれません。なお、工事中に使用するための仮使用の認定(法7条の6)は別途必要です。
出典
※ この記事の確認日:2026年6月
正解:選択肢2(これが誤っている記述)
4階建ての病院は、工事中の安全計画を届け出る対象に入っていないんです。工事中の安全計画の届出(法90条の3)が必要なのは、令147条の2で定める一定規模以上の建築物に限られます。
この対象は、避難施設等の工事中に使用する特殊建築物のうち階数が多い(おおむね5階以上等)大規模なものです。延べ2,000m²でも4階建ての病院は対象から外れますから、安全計画を作成して特定行政庁に届け出る義務はありません。選択肢2は「届け出なければならない」としているので誤りなんですね。法90条の3の安全計画の届出は対象建築物が限定されていると押さえましょう。