建築士試験 解説ノート

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令和3年度 一級建築士 法規 No.6を解説、防火区画検証法に関する誤りを見抜くポイント

令和3年度 一級建築士試験 学科III(法規)No.6は、防火に関する性能や検証法の定義を問う問題です。

この問題では、4つの記述のうち、誤っているものを選びます。

この問題で問われていること

  1. 防火区画検証法が対象とする火災(令108条の4第5項)
  2. 準防火地域内の共同住宅の屋根の性能(法22条・令109条の8)
  3. 耐火構造の柱に求められる耐火性能(令107条)
  4. 外部仕上げに用いる不燃材料の不燃性能(令108条の2)

※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。上記は、その4つの記述で問われている論点を整理したものです。

正解:選択肢1(これが誤っている記述)

防火区画検証法は、屋内で発生する火災だけを対象にする検証法なんです。区画を構成する壁・床・防火設備が、その区画の中で起きた火災を区画の外へ漏らさないかを確かめます(令108条の4第5項)。

選択肢1は「屋内及び建築物の周囲において発生が予測される火災」としていますが、周囲(屋外)の火災は防火区画検証法の対象ではありません。選択肢1はここが誤りなんですね。防火区画検証法は屋内の火災を対象とすると押さえましょう。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ×(誤り) 防火区画検証法は屋内において発生する火災が対象(令108条の4第5項)。「建築物の周囲(屋外)」の火災を含めている点が誤り。
2 ○(正しい) 準防火地域内の共同住宅の屋根は、市街地の通常の火災の火の粉で防火上有害な発炎をせず、屋内に達する有害な損傷を生じないものとする(法22条等)。正しい記述です。
3 ○(正しい) 耐火構造の柱は、通常の火災の火熱が所定時間加えられた場合に、構造耐力上支障のある変形・溶融・破壊等を生じないものとする(令107条一号)。正しい記述です。
4 ○(正しい) 外部仕上げの不燃材料の不燃性能は、加熱開始後20分間「燃焼しない」「有害な変形・溶融・亀裂等を生じない」の2要件(令108条の2)。正しい記述です。

選択肢1は、防火区画検証法を建築物の周囲の火災も対象とする点が誤りで、対象は屋内において発生する火災です。

選択肢1のポイント

選択肢1は「防火区画検証法は、開口部に設けられる防火設備について、屋内及び建築物の周囲において発生が予測される火災による火熱が加えられた場合に、火災の継続時間以上、加熱面以外の面に火炎を出すことなく耐えることができることを確かめる方法である」としています。対象とする火災の範囲が論点です。

防火区画は、火災を区画の中に閉じ込めて他の部分へ広げないための壁・床・防火設備です。防火区画検証法は、その区画が「当該建築物の屋内において発生が予測される火災」に対して、火災の継続時間以上、火炎を外へ出さずに持ちこたえるかを確かめる検証法です(令108条の4第5項)。

つまり対象は屋内(区画の内側)の火災であって、建築物の周囲=屋外の火災ではありません。屋外側の火(隣からのもらい火など)を考えるのは、外壁の耐火性能検証法の世界です。選択肢1は「屋内及び建築物の周囲」と範囲を広げてしまっている点が誤りです。検証法は「何の火災を相手にしているか」で区別するのがコツですね。防火区画検証法=屋内の火災を区画で閉じ込められるかの検証と押さえておきましょう。

覚え方

  • 防火区画検証法は屋内において発生する火災を対象(建築物の周囲=屋外は対象外)
  • 区画が火災の継続時間以上、加熱面以外に火炎を出さず耐えるかを確かめる
  • 外部仕上げの不燃材料は加熱開始後20分間「燃焼しない」「有害な変形等を生じない」の2要件
  • 内部仕上げの不燃材料はこれに「有害な煙・ガスを発生しない」を加えた3要件

一問一答

Q.

防火区画検証法は、建築物の周囲(屋外)で発生する火災も対象にする?

対象にしません。防火区画検証法は、当該建築物の屋内において発生が予測される火災を対象とします(令108条の4第5項)。

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出典

  • 建築技術教育普及センター「令和3年度 一級建築士試験 学科の試験 学科III(法規)問題」
  • 建築基準法施行令第108条の4・第107条・第108条の2
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編集・解説

建築士試験 解説ノート編集部

建築業界の実務経験をもとに、一級・二級建築士試験の「法規」を過去問から整理しています。運営者情報

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