令和3年度 一級建築士試験 学科III(法規)No.7は、耐火建築物の内装の仕上げや区画に関する問題です。
この問題では、4つの記述のうち、建築基準法に適合しないものを選びます。
※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。上記は、その4つの記述で問われている論点を整理したものです。
| 選択肢 | 適否 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 適合 | 地階の劇場の客席・通路の壁・天井の内装を準不燃材料とするのは、内装制限に適合する(地階の特殊建築物の通路等は準不燃以上)。 |
| 2 | 適合しない | 特別避難階段の階段室・付室は仕上げも下地も不燃材料が必要(令123条3項)。下地を準不燃材料としている点が不適合。 |
| 3 | 適合 | 図書館は内装制限を受ける特殊建築物に挙げられていない(令128条の4)。3階の図書室を難燃材料で仕上げても適合する。 |
| 4 | 適合 | 避難階とその直上階のみに通ずる吹抜きで、壁・天井を下地共に不燃材料とすれば竪穴区画は免除される(令112条11項一号)。適合する。 |
選択肢2は、特別避難階段の階段室・付室の下地を準不燃材料とする点が不適合で、正しくは下地も不燃材料とする必要があります。
選択肢2は、階避難安全検証法で確かめた地上20階建ての共同住宅で「特別避難階段の階段室・付室の仕上げを不燃材料でし、かつ、その下地を準不燃材料で造った」としています。下地の材料が論点です。
特別避難階段は、高層建築物などで最後まで使える避難経路です。その階段室と付室は、仕上げを不燃材料とし、かつ下地も不燃材料で造ることが求められます(令123条3項)。仕上げが燃えなくても下地が燃えれば崩れてしまいますから、下地まで不燃にして守っているわけです。
ここで注意したいのが、階避難安全検証法を使った場合です。検証法で確かめると一部の内装制限が緩和されますが、特別避難階段そのものの構造規定(令123条3項)は緩和の対象ではありません。検証法を理由に下地を準不燃材料に落とすことはできないんですね。「検証法を使えば内装は自由になる」と早合点しないのがコツです。特別避難階段の階段室・付室は仕上げも下地も不燃材料、検証法でも免除されないと押さえておきましょう。
特別避難階段の階段室・付室の内装は、仕上げを不燃材料にすれば下地は準不燃材料でよい?
よくありません。特別避難階段の階段室・付室は、仕上げも下地も不燃材料とする必要があります(令123条3項)。避難安全検証法で確かめてもこの規定は免除されません。
出典
※ この記事の確認日:2026年6月
正解:選択肢2(これが適合しない建築物)
特別避難階段の階段室・付室は、仕上げだけでなく下地も不燃材料でなければならないんです(令123条3項)。ここは最後のよりどころとなる避難経路ですから、燃えにくさを徹底しています。
選択肢2は仕上げを不燃材料、その下地を「準不燃材料」としていますから、下地が不燃材料に届いていません。階避難安全検証法で確かめても、特別避難階段の構造規定は免除されないので、これは適合しないわけです。特別避難階段の階段室・付室は仕上げも下地も不燃材料と押さえましょう。