令和4年度 一級建築士試験 学科III(法規)No.12は、構造強度に関する問題です。
この問題では、4つの記述のうち、誤っているものを選びます。
※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。上記は、その4つの記述で問われている論点を整理したものです。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ×(誤り) | コンクリートの短期引張り許容応力度は2Fc/30(=Fc/15)。長期圧縮(Fc/3)の1/3ではない。Fc21なら短期引張り1.4N/mm²。 |
| 2 | ○(正しい) | 百貨店の屋上広場は売場の数値(柱用2,400N/m²)を用い、柱の支える床数4で低減率0.85。2,400×0.85=2,040N/m²。正しい記述です(令85条)。 |
| 3 | ○(正しい) | RC造の塀には、コンクリートの四週圧縮強度12N/mm²以上を求める令74条は準用されない。12N/mm²以上とする必要はなく、正しい記述です(令71条)。 |
| 4 | ○(正しい) | 異形鉄筋をせん断補強以外に用いる場合、引張りの材料強度は圧縮の材料強度と同じく基準強度F。正しい記述です(令96条)。 |
選択肢1は、コンクリートの短期引張り許容応力度を長期圧縮の1/3とする点が誤りで、正しくは2Fc/30(=Fc/15)です。
選択肢1は「設計基準強度が21N/mm²のコンクリートの場合、短期に生ずる力に対する引張りの許容応力度は、長期に生ずる力に対する圧縮の許容応力度の1/3の値である」としています。コンクリートの許容応力度の決まり方が論点です。
コンクリートの許容応力度は設計基準強度Fcから決まります。圧縮は長期がFc/3、短期はその2倍です。これに対して引張り・せん断は長期がFc/30、短期はその2倍の2Fc/30(=Fc/15)になります(令91条・平成12年建設省告示第1450号)。
Fc=21N/mm²で計算すると、短期の引張り許容応力度は21/15=1.4N/mm²です。一方、長期圧縮許容応力度はFc/3=7N/mm²で、その1/3は約2.33N/mm²。数値が一致しないため、選択肢1は誤りです。圧縮(Fc/3)と引張り・せん断(Fc/30)は基準が別系統で、片方を1/3しても他方にはならない、と押さえるのがコツですね。コンクリートの短期引張りは2Fc/30(=Fc/15)と覚えておきましょう。
設計基準強度21N/mm²のコンクリートの、短期の引張り許容応力度はいくつ?
約1.4N/mm²です。引張り・せん断は長期がFc/30、短期はその2倍の2Fc/30(=Fc/15)なので、21/15=1.4N/mm²。長期圧縮(Fc/3=7N/mm²)の1/3ではありません。
出典
※ この記事の確認日:2026年6月
正解:選択肢1(これが誤っている記述)
コンクリートの許容応力度は、圧縮と引張り(せん断)で基準がまったく違うんです。圧縮は長期がFc/3・短期がその2倍ですが、引張り(せん断)は長期がFc/30・短期がその2倍の2Fc/30、つまりFc/15です。
設計基準強度Fc=21N/mm²なら、短期の引張り許容応力度は21/15=1.4N/mm²です。一方、長期圧縮許容応力度(Fc/3=7N/mm²)の1/3は約2.33N/mm²で、両者は一致しません。選択肢1は「短期引張りは長期圧縮の1/3」としているので誤りなんですね。コンクリート短期引張りは2Fc/30=Fc/15と押さえましょう。