令和4年度 一級建築士試験 学科III(法規)No.13は、保有水平耐力計算によって安全性が確かめられた建築物に関する問題です。
この問題では、4つの記述のうち、誤っているものを選びます。
※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。上記は、その4つの記述で問われている論点を整理したものです。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | 基礎は原則一の構造方法だが、大臣基準に従った構造計算で安全を確かめれば異種構造の基礎を併用できる。正しい記述です(令38条)。 |
| 2 | ○(正しい) | 土砂災害特別警戒区域内の居室を有する建築物の外壁等は、想定される衝撃で破壊しないものとして大臣の定めた構造方法とする。正しい記述です(令80条の3)。 |
| 3 | ○(正しい) | 保有水平耐力計算で確かめた場合、令77条二号(主筋と帯筋の緊結)は適用除外。緊結する必要はなく、正しい記述です(令36条2項一号)。 |
| 4 | ×(誤り) | 特定天井(令39条3項)は総則の規定で保有水平耐力計算でも緩和されない。大臣の定める構造方法又は大臣認定が必要。 |
選択肢4は、特定天井の構造を大臣の構造方法・認定とする必要はないとする点が誤りで、保有水平耐力計算で確かめても大臣の構造方法又は認定が必要です。
選択肢4は「鉄骨造の建築物において、特定天井の構造は、構造耐力上安全なものとして、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものとする必要はない」としています。保有水平耐力計算で何が緩和され、何が緩和されないかが論点です。
保有水平耐力計算(令81条2項一号イ)で安全性を確かめると、令36条2項一号により多くの仕様規定が適用除外されます。たとえば令77条二号(柱の主筋と帯筋の緊結)などがそうで、選択肢3が正しいのはこのためです。
ところが、特定天井の規定(令39条3項)は構造強度の総則(第1節)に置かれていて、令36条2項一号でも適用が外れません。つまり保有水平耐力計算で確かめても、特定天井は大臣の定める構造方法又は大臣認定とする必要があります。緩和されるのは部材ごとの仕様規定で、天井の脱落対策のような総則規定は別、と整理するのがコツですね。特定天井は保有水平耐力計算でも大臣構造方法・認定が必要と押さえておきましょう。
保有水平耐力計算で安全性を確かめれば、特定天井の構造は大臣の構造方法・認定が不要になる?
不要にはなりません。特定天井(令39条3項)は総則の規定で、保有水平耐力計算でも緩和されず、大臣の定める構造方法又は大臣認定が必要です。緩和されるのは令77条の柱の規定などです。
出典
※ この記事の確認日:2026年6月
正解:選択肢4(これが誤っている記述)
保有水平耐力計算(ルート3)で確かめれば多くの仕様規定が緩和されますが、特定天井の規定(令39条3項)は緩和されないんです。総則(第1節)の規定なので、保有水平耐力計算で安全性を確かめても、構造耐力上安全なものとして大臣の定める構造方法又は大臣認定が必要です。
選択肢4は「特定天井の構造は大臣の構造方法・認定とする必要はない」としているので誤りなんですね。保有水平耐力計算で緩和されるのは令77条の柱の規定などで、特定天井は対象外です。特定天井は保有水平耐力計算でも大臣構造方法・認定が必要と押さえましょう。