令和4年度 一級建築士試験 学科III(法規)No.20は、病院に関する問題です。
この問題では、4つの記述のうち、誤っているものを選びます。
※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。上記は、その4つの記述で問われている論点を整理したものです。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | 特定建築物(病院等で一定規模以上)の所有者等は、定期に一級・二級建築士又は建築物調査員に調査させ、特定行政庁に報告する。正しい記述です(法12条1項)。 |
| 2 | ○(正しい) | 商業地域は「その他の地域」区分で採光補正係数=採光関係比率×10−1.0。道に面さず水平距離4m以上で算定値が1.0未満なら1.0とできる。正しい記述です(令20条)。 |
| 3 | ×(誤り) | 非常用照明の照明カバーの取替えは避難施設等に関する工事に当たらない。法90条の3の計画の届出は不要。 |
| 4 | ○(正しい) | 敷地が二つの用途地域にわたる場合は過半の地域による。過半が工業地域なら病院は建築不可で、特定行政庁の許可がなければ新築できない。正しい記述です(法48条・91条)。 |
選択肢3は、照明カバーの取替え工事の施工中使用に計画の届出が必要とする点が誤りで、これは避難施設等に関する工事に当たらず届出は不要です。
選択肢3は、病院の「非常用の照明装置に用いる照明カバーの取替えの工事の施工中に当該建築物を使用する場合、建築主は、あらかじめ工事中の安全上・防火上・避難上の措置に関する計画を作成して特定行政庁に届け出なければならない」としています。法90条の3の届出が必要な工事の範囲が論点です。
法90条の3の計画の届出が要るのは、政令で定める特殊建築物(病院などで一定規模以上)の新築工事、又はその建築物に係る避難施設等に関する工事の施工中に建築物を使用する場合です。避難施設等に関する工事とは、廊下・階段・出入口などの避難施設、消火設備、排煙設備、非常用照明装置、非常用昇降機、防火区画などの設置や改修に関わる工事をいいます。
非常用照明の照明カバーの取替えは、こうした避難施設等の機能に関わる工事ではなく、軽微な維持的な工事です。したがって避難施設等に関する工事には当たらず、計画の届出は不要です。建築物が対象規模かどうかだけでなく、「工事の中身が避難施設等に関する工事か」を確認するのがコツですね。照明カバーの取替えは避難施設等に関する工事に当たらないと覚えておきましょう。
病院で非常用照明の照明カバーを取り替える工事中に使用する場合、法90条の3の計画の届出は必要?
不要です。届出が要るのは避難施設等に関する工事を施工中に使用する場合で、照明カバーの取替え程度の工事はこれに当たりません。
出典
※ この記事の確認日:2026年6月
正解:選択肢3(これが誤っている記述)
法90条の3の計画の届出が必要なのは、対象建築物で避難施設等に関する工事を施工中に使用する場合なんです。非常用照明の照明カバーの取替え程度の工事は、避難施設等に関する工事には当たりません。
避難施設等に関する工事とは、廊下・階段・出入口などの避難施設、消火設備、排煙設備、非常用照明装置、非常用昇降機、防火区画などの設置・改修に関わる工事です。照明カバーの取替えはこれに該当しないため、計画の届出は不要です。選択肢3は「届け出なければならない」としているので誤りなんですね。照明カバーの取替えは避難施設等に関する工事に当たらないと押さえましょう。