令和4年度 一級建築士試験 学科III(法規)No.29は、ある建築物の設計に際しての設計者の判断に関する総合問題です。条件は、地上6階建て・高さ27m・RC造・延べ面積3,000m²(各階500m²)・物品販売業を営む店舗(各階に売場)です。
この問題では、4つの記述のうち、不必要な内容を含むものを選びます。
※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。上記は、その4つの記述で問われている論点を整理したものです。
| 選択肢 | 内容として | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(必要) | 保有水平耐力計算で、保有水平耐力・各応力度・層間変形角・屋根ふき材の風圧安全を確かめる。必要な内容です。 |
| 2 | ×(不必要を含む) | 高さ27m・6階建てなら直通階段は避難階段でよい。特別避難階段は過剰(不必要)。特別避難階段は15階以上等。 |
| 3 | ○(必要) | 設計一次エネルギー消費量が基準一次エネルギー消費量を超えないように設計する。必要な内容です。 |
| 4 | ○(必要) | バリアフリーへの配慮で容積率を超えた分は、認定特定建築物の認定(誘導基準への適合)で容積率の特例を受ける。必要な内容です。 |
選択肢2は、直通階段を特別避難階段に適合する階段とする点が過剰で、高さ27m・6階建てなら避難階段で足ります。
選択肢2は、避難経路となる屋内の直通階段を「特別避難階段に適合する階段として2か所に設置する」「階段室に排煙機による排煙設備を設置する」「非常用の照明装置を設置する」として設計した、というものです。求められる直通階段の種別が論点です。
物品販売業の店舗で売場のある階の直通階段は、その階が5階以上なら避難階段、15階以上なら特別避難階段とすることが求められます(令122条)。この建築物は地上6階建て・高さ27mなので、避難階段とすれば足ります。
選択肢2は、6階建ての建築物に「特別避難階段」を求めており、これは規定を超える過剰な内容です。総合問題では「足りない」だけでなく「やり過ぎ(不必要)」も誤りになります。高さ31m・15階という境目を意識して、要求が一段上がる条件かどうかを確認するのがコツですね。特別避難階段は15階以上(高さ31m超の制限とは別の境目)と覚えておきましょう。
高さ27m・地上6階建ての物販店舗で、売場階の直通階段は特別避難階段にしなければならない?
いいえ、避難階段で足ります。特別避難階段が求められるのは15階以上の階で、6階建て・高さ27mでは過剰(不必要)です。
出典
※ この記事の確認日:2026年6月
正解:選択肢2(これが不必要な内容を含む記述)
この建築物は高さ27mで、31m以下です。物品販売業の店舗で売場のある階の直通階段は、5階以上では避難階段とすればよく、特別避難階段まで求められるのは15階以上の階です。
選択肢2は直通階段を「特別避難階段に適合する階段として」設けるとしていますが、高さ27m・6階建てなら避難階段で足ります。特別避難階段は過剰=不必要な内容なんですね。高さ31m以下・15階未満なら避難階段でよい(特別避難階段は不要)と押さえましょう。