建築士試験 解説ノート

建築士試験 解説ノート
  1. HOME
  2. 過去問解説
  3. 一級建築士 法規
  4. 令和5年
  5. > No.27 建築物省エネ法

令和5年度 一級建築士 法規 No.27を解説、トップランナー制度の対象戸数を見抜くポイント

令和5年度 一級建築士試験 学科III(法規)No.27は、「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」(建築物省エネ法)に関する問題です。

この問題では、4つの記述のうち、建築物省エネ法上、誤っているものを選びます。

この問題で問われていること

  1. 共同住宅の請負型規格住宅がトップランナー基準の対象となる年間戸数
  2. 非住宅部分300m²の事務所の新築での省エネ基準への適合義務(法11条)
  3. 認定計画で誘導措置のため通常を超える床面積の容積率不算入の限度
  4. 床面積300m²の共同住宅の新築での計画の届出期限

※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。上記は、その4つの記述で問われている論点を整理したものです。

正解:選択肢1(これが誤っている記述)

住宅トップランナー制度は、住宅を大量に供給する事業者に、より高い省エネ性能を求める制度です。対象となる年間戸数は住宅の種類ごとに異なります。

共同住宅(賃貸型)の請負型規格住宅を供給する事業者が対象となるのは年間1,000戸以上で、300戸ではありません。300戸は注文戸建住宅の基準ですから、それを共同住宅に当てた選択肢1が誤りということです。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ×(誤り) 共同住宅の請負型規格住宅でトップランナー基準の対象となるのは年間1,000戸以上。300戸は注文戸建住宅の基準で、誤りです。
2 ○(正しい) 非住宅部分の床面積300m²の事務所の新築は、当該非住宅部分を建築物エネルギー消費性能基準に適合させる義務があります。正しい記述です。
3 ○(正しい) 認定建築物エネルギー消費性能向上計画に係り、誘導基準のための措置で通常を超える床面積は、延べ面積の1/10を限度に容積率算定の延べ面積に算入しません。正しい記述です。
4 ○(正しい) 床面積300m²の共同住宅の新築は、原則として着手日の21日前までに計画を所管行政庁に届け出ます。正しい記述です。

選択肢1は、「共同住宅の請負型規格住宅は年間300戸以上で対象」とする点が誤りで、共同住宅(賃貸型)の対象は年間1,000戸以上です。

選択肢1のポイント

選択肢1は、共同住宅の請負型規格住宅を年間300戸以上建設する事業者が、トップランナー基準への適合を努めるべきか、という記述なんです。

共同住宅(賃貸型)の請負型規格住宅を供給する事業者が制度の対象となるのは、年間1,000戸以上を建設する場合です。年間300戸以上は注文戸建住宅の基準であって、共同住宅に当てはめるのは誤りなんです。

ですから戸数の基準を取り違えている選択肢1は誤りということです。

覚え方

  • 住宅トップランナー制度の対象戸数 → 戸建は300戸前後、共同住宅(賃貸)は1,000戸(戸数の入れ替えに注意)
  • 省エネ基準の適合義務は非住宅の床面積300m²以上、届出は住宅等で着手21日前まで
Q.

共同住宅の請負型規格住宅でトップランナー基準の対象となるのは、年間何戸以上を建設する場合?

年間1,000戸以上です。年間300戸以上は注文戸建住宅の基準です。

令和5年 一級建築士 法規 過去問解説 一覧へ

出典

  • 建築技術教育普及センター「令和5年度 一級建築士試験 学科の試験 学科III(法規)問題」
  • 建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(建築物省エネ法)第11条・第19条・第35条・第28条(住宅事業建築主の基準)
建築士試験 解説ノート

編集・解説

建築士試験 解説ノート編集部

建築業界の実務経験をもとに、一級・二級建築士試験の「法規」を過去問から整理しています。運営者情報

Topへ >>