建築物省エネ法は一級建築士 法規のNo.26〜27あたりで、近年は単独問題として毎年出ます(古い年度は「関係法令」の複合問題で1肢として出ました)。問われるのは、適合義務の対象と手続きです。令和7年4月の改正で対象が大きく広がったため、出題年度によって答えが変わる点に注意して、改正後の制度から押さえます。
これまでは、非住宅で床面積300m²以上のものだけが適合義務で、住宅などは届出や説明にとどまっていました。
令和7年4月1日からは、原則としてすべての新築建築物(住宅・非住宅)が、省エネ基準に適合しなければなりません。省エネ基準への適合は、建築確認や適合性判定の中で審査されます。これに伴い、改正前の届出義務・説明義務の制度は廃止されました。
省エネ基準への適合は、エネルギー消費性能の適合性判定で確かめます。建築確認と一体で審査される場合もあります。
省エネ性能を高めた建築物には誘導の仕組みがあります。性能向上計画の認定を受けると、誘導基準のための床面積を、延べ面積の1/10を限度に容積率算定の延べ面積へ算入しません(容積率特例)。
トップランナー制度は、住宅を多く供給する事業者に高い省エネ性能を促すもので、対象の年間戸数は住宅の種類で異なります(注文戸建住宅は300戸以上など)。
過去10年で繰り返された論点を、改正後の現行法をもとに、正しい記述(○)と引っ掛け(×)で並べます。
| 記述(現行法) | ○× |
|---|---|
| 令和7年4月1日以降、原則すべての新築建築物(住宅・非住宅)が省エネ基準に適合しなければならない | ○ |
| 改正に伴い、従来の届出義務・説明義務の制度は廃止された | ○ |
| 性能向上計画の認定を受けると、誘導基準のための床面積を延べ面積の1/10を限度に容積率算定から除く | ○ |
| 省エネ基準への適合は、建築確認や適合性判定の中で審査される | ○ |
| 令和7年4月以降も、適合義務は非住宅で300m²以上のものだけである | × |
| 住宅の新築では、着工の21日前までに省エネ計画を届け出なければならない | × |
| 性能向上計画認定による容積率特例は、延べ面積の1/5を限度とする | × |
×を正しく直すと、令和7年4月以降は原則すべての新築が適合義務/届出制度は廃止(適合性判定・建築確認で審査)/容積率特例は延べ面積の1/10限度、です。
建築物省エネ法は、近年(令和4年〜)は単独問題、それ以前は「関係法令」の複合問題で1肢として問われています。正解番号は建築技術教育普及センターの公表正答によります。
| 年度 | No. | 正解 | 論点/解説 |
|---|---|---|---|
| 令和7年(2025) | 26 | 1 | 建築物省エネ法(改正後・適合義務化) |
| 令和6年(2024) | 27 | 1 | 建築物省エネ法(改正前の制度で出題) |
| 令和5年(2023) | 27 | 1 | 建築物省エネ法(改正前の制度で出題) |
| 令和4年(2022) | 27 | 1 | 建築物省エネ法(改正前)※解説は順次追加予定 |
| 令和3年(2021) | 28 | 1 | 関係法令(省エネ法を含む複合問題)※解説は順次追加予定 |
| 令和2年(2020) | 30 | 4 | 関係法令(省エネ法を含む複合問題)※解説は順次追加予定 |
| 令和元年(2019) | 30 | 1 | 関係法令(省エネ法を含む複合問題)※解説は順次追加予定 |
| 平成30年(2018) | 30 | 3 | 関係法令(省エネ法を含む複合問題)※解説は順次追加予定 |
| 平成29年(2017) | 27 | 4 | 関係法令(省エネ法を含む複合問題)※解説は順次追加予定 |
| 平成28年(2016) | ― | ― | 建築物省エネ法の単独・複合出題なし(同法は平成28年に一部施行) |
※令和6年以前は改正前(非住宅300m²以上の適合義務・届出制度あり)、令和7年は改正後(令和7年4月施行)の法令で出題されています。古い年度を解くときは出題当時の制度に注意してください。
現在(令和7年4月以降)、省エネ基準の適合義務は非住宅で300m²以上のものだけ?
違います。令和7年4月以降は原則すべての新築建築物(住宅・非住宅)が適合義務です。「非住宅300m²以上だけ」は改正前のルールです。
住宅を新築するときは、着工の21日前までに省エネ計画を届け出る?
現在は当てはまりません。令和7年4月の適合義務化に伴い、届出義務・説明義務の制度は廃止されました。適合は適合性判定・建築確認で審査します。
性能向上計画の認定による容積率特例は、延べ面積の1/5を限度とする?
違います。延べ面積の1/10を限度として、誘導基準のための床面積を容積率算定の延べ面積に算入しません。
出典・参考
※ このページの確認日:2026年6月(令和7年4月施行の改正を反映)
まちがえやすいポイント
令和7年4月以降は、原則すべての新築が適合義務です。「適合義務は非住宅300m²以上だけ」は改正前のルールで、現在は誤りです。
改正にあわせて、届出義務・説明義務の制度は廃止されました。「住宅は着工の21日前までに届け出る」は現在は当てはまりません。容積率特例は延べ面積の1/10を限度とします(1/5ではありません)。