建築士試験 解説ノート

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令和5年度 一級建築士 施工 No.10を解説、実積率の小さい骨材を使うと所定スランプに必要な単位水量は増える

令和5年度 一級建築士 学科Ⅴ(施工)No.10は、コンクリート調合に関する問題です。

この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

この問題で問われていること

  1. 調合管理強度の求め方
  2. 普通コンクリートの水セメント比の最大値
  3. 骨材の粒形・実積率と単位水量の関係
  4. 普通コンクリートの単位セメント量の最小値

※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。上記は、その4つの記述で問われている論点を整理したものです。

正解:選択肢3(これが誤っている記述)

粒形が角張った骨材は比表面積が大きく、また実積率が小さいということは骨材間の空隙が多いことを意味します。ワーカビリティを確保するためには、これらの空隙を埋めるために単位水量を大きくする必要があります。「単位水量を小さくした」という記述が誤りです。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(正しい) 調合管理強度は、設計基準強度と耐久設計基準強度のうち大きい方に構造体強度補正値を加えた値とする。
2 ○(正しい) 普通ポルトランドセメントを用いた普通コンクリートの水セメント比の最大値は65%とする。
3 ×(誤り) 粒形が角張って実積率の小さい粗骨材を用いた場合、所定スランプを得るための単位水量は大きくする必要がある。「小さくした」は誤り。
4 ○(正しい) 普通コンクリートの単位セメント量の最小値は270kg/m³とする。

選択肢3の「単位水量を小さくした」という記述が誤りで、正しくは単位水量を大きくする必要があります。

骨材の形状が単位水量に与える影響はどうなるか

選択肢3は、骨材の粒形・実積率と単位水量の関係に関する記述です。コンクリートのワーカビリティ(流動性・打込みやすさ)は骨材の形状に大きく影響されるんですね。

角張った骨材は粒子間の摩擦が大きく、比表面積も多いため、同じ流動性を得るのに多くの水が必要です。さらに実積率が小さい=骨材間の空隙が多いということなので、その空隙をモルタルで埋めるため単位水量は増加します。丸い骨材は流れやすく、角張った骨材は流れにくいわけです。

選択肢3は「実積率の小さい粗骨材を用いたので、所定スランプを得るために単位水量を小さくした」としていますが、逆に大きくする必要があり誤りです。ザックリ言えば、角張って実積率が小さい骨材=所定スランプに必要な単位水量は大きくなるということです。

覚え方

  • 角張って実積率の小さい粗骨材=所定スランプの単位水量は大きくなる
  • 調合管理強度=設計基準強度と耐久設計基準強度の大きい方+構造体強度補正値
  • 普通コンクリート(普通ポルトランド)の水セメント比最大値=65%
  • 普通コンクリートの単位セメント量最小値=270kg/m³

一問一答

Q.

粒形が角張って実積率の小さい粗骨材を使う場合、所定スランプを得るための単位水量はどうなるか?

単位水量は大きくなります。角張った骨材は比表面積が大きく、空隙も多いため、ワーカビリティを確保するために多くの水が必要です。

Q.

普通コンクリートの単位セメント量の最小値は何kg/m³か?

270kg/m³です。

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出典

  • 建築技術教育普及センター「令和5年度 一級建築士試験 学科の試験 学科Ⅴ(施工)問題」
  • 建築技術教育普及センター「令和5年度 一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)正答肢」
  • JASS 5(鉄筋コンクリート工事)
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編集・解説

建築士試験 解説ノート編集部

建築業界の実務経験をもとに、一級・二級建築士試験の「施工」を過去問から整理しています。運営者情報

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