単体規定は一級建築士 学科Ⅲ(法規)のNo.5で、過去10年ほぼ毎年出ます。採光、換気、階段、天井高、地階など、建築物そのものの最低基準を問う枠です。建築基準法施行令の規定からの出題です。
単体規定は、用途ごとの「割合」と階段・天井高の「寸法」を覚える分野です。
誤りの選択肢は、採光や換気の割合か、階段や天井高の寸法を1か所だけ入れ替えてあります。とくに採光の割合は用途で変わるので、用途と数字のペアで覚えてください。
| 用途・項目 | 必要な割合(居室の床面積に対して) |
|---|---|
| 幼稚園・小中高校の教室 | 採光に有効な部分 1/5 以上 |
| 住宅の居室・病院の病室・寄宿舎の寝室・児童福祉施設等の居室 | 採光に有効な部分 1/7 以上(住宅は照明設備等で1/10まで緩和可) |
| 大学・専修学校等の教室 | 採光に有効な部分 1/10 以上 |
| 居室の換気 | 換気に有効な部分 1/20 以上。不足する場合は換気設備を設ける |
採光補正係数は、用途地域(住居系・工業系・商業系)で算定式が異なります。「用途地域に関係なく算定する」という記述は誤りです。
もう一つの落とし穴が換気です。特殊建築物の居室は、換気に有効な窓があっても換気設備が必要です。集会場や劇場などで「窓があるから換気設備は不要」という記述は誤りになります。
| 項目 | 数値の核心 |
|---|---|
| 階段の手すり | 高さ1mを超える階段に手すりを設ける。幅が3mを超える階段は中間にも手すりを設ける(蹴上げ15cm以下かつ踏面30cm以上は中間手すりを免除) |
| 階段に代わる傾斜路 | 勾配は1/8を超えないものとし、表面を粗面等とする。手すりは階段の規定を準用 |
| 手すりの幅の不算入 | 階段・踊場の幅は、手すりの幅が10cmを限度として、ないものとみなして算定する |
| 居室の天井の高さ | 2.1m以上。1室で天井の高さが異なる部分があるときは、その平均の高さによる |
| 地階の定義 | 床が地盤面下にある階で、床面から地盤面までの高さが、その階の天井の高さの1/3以上のもの |
傾斜路の中間手すりは、階段と同じく幅3mを超える場合に必要です。幅3m(ちょうど)や幅4mでも蹴上げ・踏面の免除条件は傾斜路には当てはまらないので、幅で判断します。
実際に出た選択肢を正誤の形にしました。割合と寸法の入れ替えに注目してください。
| 正誤 | 記述 |
|---|---|
| × | 病院の病室の採光に有効な部分の面積は、用途地域に関係なく算定することができる。 → 採光補正係数は用途地域で算定式が異なります(H28) |
| × | 集会場の居室に換気に有効な窓を設けたので、換気設備を設けなかった。 → 特殊建築物の居室は窓があっても換気設備が必要です(H30) |
| × | 高さ1.5m・勾配1/15・幅4mの傾斜路には、中間に手すりを設けなくてよい。 → 幅が3mを超えるので中間手すりが必要です(R3) |
| ○ | 居室の天井の高さは、1室で異なる部分があるときは、その平均の高さを2.1m以上とする。 → 正しい(H30) |
単体規定は法規のNo.5を中心に出ます。R2は階段の寸法、R5は採光の計算問題でした。正解番号は建築技術教育普及センターの公表正答によります。
| 年度 | No. | 正解 | 主な論点 |
|---|---|---|---|
| 令和7年(2025) | 5 | 3 | 共同住宅の階段(蹴上げ・踏面の組合せ) |
| 令和6年(2024) | 5 | 2 | 昇降機機械室階段・職員室の採光・地階のからぼり・採光補正係数 |
| 令和5年(2023) | 5 | 2 | 採光に有効な部分の面積(計算) |
| 令和4年(2022) | 5 | 4 | 指定建築材料・傾斜路の側壁と手すり・ホルムアルデヒド・間仕切壁の遮音 |
| 令和3年(2021) | 5 | 1 | 傾斜路の中間手すり・娯楽室の採光・強化天井と界壁・床下換気孔 |
| 令和2年(2020) | 5 | 2 | 屋内階段(直階段)の寸法(計算) |
| 令和元年(2019) | 5 | 4 | 機械室階段の蹴上げ・手すりの不算入・石綿・天窓の採光補正係数 |
| 平成30年(2018) | 5 | 2 | 採光補正係数・換気設備(特殊建築物の居室)・階段の踊場・天井高の平均 |
| 平成29年(2017) | 5 | 4 | ホルムアルデヒド・地階の居室とからぼり・教室の採光14m²・階段に代わる傾斜路 |
| 平成28年(2016) | 5 | 3 | 地階の定義・屋外直通階段の幅・病室の採光・集会場の換気設備 |
採光は用途で割合が変わる(学校1/5・住宅1/7・大学1/10)。換気は一律1/20。
小学校の教室の採光に有効な部分の面積は、その床面積に対して1/7以上とする。〇か×か。
×。学校(幼稚園・小中高)の教室は1/5以上です。1/7は住宅の居室・病室・寝室です。
集会場の居室に換気に有効な窓があれば、換気設備を設けなくてよい。〇か×か。
×。特殊建築物の居室は、窓があっても換気設備が必要です(H30 No.5)。
幅4mの階段に代わる傾斜路には、中間に手すりを設けなくてよい。〇か×か。
×。幅が3mを超えるので中間手すりが必要です(R3 No.5)。
居室の天井の高さは、1室で異なる部分があるときは、その平均の高さを2.1m以上とする。〇か×か。
〇。天井の高さは2.1m以上で、1室で異なる場合は平均の高さによります。
単体規定は「用途ごとの割合」と「階段・天井高の寸法」をペアで覚える。
採光は学校1/5・住宅1/7・大学1/10、換気は1/20、階段の中間手すりは幅3m超、天井高2.1m。用途と数字を結びつければ、No.5は照合だけで解けます。
参考(実ページで確認)
※ この記事の確認日:2026年6月
まちがえやすいポイント
単体規定の誤りは、用途ごとの割合か、階段・天井高の寸法が1か所だけ入れ替わっている形です。
採光は学校1/5・住宅1/7・大学1/10。換気は1/20で、特殊建築物の居室は窓があっても換気設備が必要。階段の中間手すりは幅3m超。この区別が毎年の得点源です。