建築士試験 解説ノート

建築士試験 解説ノート
  1. HOME
  2. 過去問解説
  3. 一級建築士 構造
  4. > コンクリート まとめ

コンクリート(材料)のまとめ【過去10年分】|一級建築士試験 構造の過去問・頻出ポイント

コンクリート(材料)は一級建築士 構造のNo.28で毎年1問出ます。問われ方は決まっていて、圧縮強度が何で大きく・小さくなるかの大小関係を逆にしてくるか、ヤング係数や軽量コンクリートの性質を入れ替えるかのどちらかです。まず圧縮強度に影響する要因を整理します。

圧縮強度に影響する要因の早見表

要因 圧縮強度との関係
載荷速度 大きい(速い)ほど圧縮強度は大きく測定される
水セメント比 小さいほど密実になり、圧縮強度・耐久性が高い
養生 水中養生は気中養生より強度の増進が大きい(水和反応が続く)
供試体の形(h/d比) 直径に対する高さの比(h/d)が大きいほど圧縮強度は小さく測定される

いちばんの引っかけが「載荷速度」と「水セメント比」です。載荷速度は大きいほど強度が大きく、水セメント比は小さいほど強度が高い。大小を逆にした選択肢がくり返し出ます。

ヤング係数・各種強度・軽量コンクリートの関係

項目 覚えるポイント
ヤング係数(剛性)圧縮強度が高いほど・単位容積質量が大きいほど大きい(鋼と違い強度で剛性が変わる)
引張強度圧縮強度の 1/10程度(コンクリートは圧縮に強く引張に弱い)
許容応力度短期は長期の 2倍
軽量コンクリート同じ設計基準強度の普通コンクリートよりヤング係数が小さい(密度が小さい)
線膨張係数1×10⁻⁵/℃で、一般の鋼材とほぼ等しい
AE剤微細な独立空気を連行し、耐凍害性・ワーカビリティを高める

コンクリートのヤング係数は、鋼材と違って強度で変わるのがポイントです。水セメント比が小さい(強度が高い)ほどヤング係数も大きくなります。軽量コンクリートは線膨張係数こそ鋼材とほぼ同じですが、ヤング係数は普通コンクリートより小さくなります。

毎年問われる論点(○が正しい・×が誤り)

論点 正しい記述(○)と、よくある誤り(×)
載荷速度と圧縮強度 ○ 大きいほど圧縮強度は大きく測定/× 大きいほど小さく
水セメント比と強度 ○ 小さいほど強度・耐久性が高い/× 大きいほど高い
供試体のh/d比 ○ 大きいほど圧縮強度は小さく測定/× 大きいほど大きく
軽量コンクリートのヤング係数 ○ 普通コンクリートより小さい/× 大きい
養生 ○ 水中養生は気中養生より強度増進が大/× 気中養生のほうが大

覚え方

載荷速度は大きいほど強度大・h/d比は大きいほど強度小、水セメント比は小さいほど強度大、ヤング係数は圧縮強度・密度で大、軽量はヤング係数小・線膨張係数は鋼材とほぼ同、引張は圧縮の約1/10。大小関係を逆にした選択肢に気づけるよう、向きをそろえて覚えましょう。

過去問の肢で確認

Q.

圧縮強度試験で、載荷速度が大きいほど圧縮強度は小さく測定される。〔R7 No.28〕

×。逆です。載荷速度が大きいほど圧縮強度は大きく測定されます。ゆっくり載荷するほど小さく出ます。

Q.

コア供試体は、直径に対する高さの比(h/d)が大きいほど圧縮強度は大きく出る。〔R6 No.28〕

×h/d比が大きいほど圧縮強度は小さく測定されます。標準はh/d=2前後で、小さいときは補正します。

Q.

軽量コンクリートのヤング係数は、同じ設計基準強度の普通コンクリートより大きい。〔R5 No.28〕

×。軽量コンクリートは密度が小さいため、ヤング係数は小さくなります。なお線膨張係数は鋼材とほぼ等しい値です。

Q.

水セメント比が大きいほど、コンクリートの圧縮強度・耐久性は高くなる。〔基本〕

×。水セメント比は小さいほど密実になり、圧縮強度・耐久性が高くなります。大小が逆です。

過去問の出題一覧(一級建築士 構造)

年度 No. 正解 主に問われた論点
令和7年281載荷速度と圧縮強度ほか
令和6年284養生・コア供試体(h/d比)ほか
令和5年284軽量コンクリート・ヤング係数
令和4年284圧縮強度・ヤング係数
令和3年284水セメント比・各種強度
令和2年283圧縮強度に影響する要因
令和元年282ヤング係数・各種強度
平成30年281圧縮強度・養生・供試体
平成29年284圧縮強度・ヤング係数
平成28年281圧縮強度に影響する要因

※ 過去10年分(平成28年〜令和7年)を確認。コンクリート(材料)は毎年No.28で出題され、圧縮強度に影響する要因・ヤング係数・軽量コンクリートがくり返し問われています。令和2年以前の解説リンクは順次追加予定です。

まちがえやすいポイント

圧縮強度は、載荷速度が大きいほど大きく測定されます。「載荷速度が大きいほど小さい」は逆で誤りです。供試体はh/d比が大きいほど圧縮強度は小さく出ます。

水セメント比は小さいほど強度・耐久性が高いです(「大きいほど高い」は誤り)。養生は水中養生のほうが気中養生より強度の増進が大きい点も押さえます。

次に確認するページ

出典・参考

  • 建築技術教育普及センター「一級建築士試験 学科の試験 学科IV(構造)問題」各年度、正答は同センター公表の正答肢による
  • JIS A 1108(コンクリートの圧縮強度試験方法)/日本建築学会 JASS5 ほか
建築士試験 解説ノート

編集・解説

建築士試験 解説ノート編集部

建築業界の実務経験をもとに、一級・二級建築士試験の「構造」を過去問から整理しています。運営者情報

Topへ >>