建築士試験 解説ノート

建築士試験 解説ノート
  1. HOME
  2. 過去問解説
  3. 一級建築士 構造
  4. > SRC・CFT・合成構造まとめ

SRC造・CFT造・合成構造のまとめ【過去10年分】|一級建築士試験 構造の過去問・頻出ポイント

SRC造・CFT造・合成構造・混合構造は一級建築士 学科Ⅳ(構造)の頻出テーマです。過去10年(H28〜R7)でほぼ毎年、多くはNo.23で1問が出題されます。鉄骨とコンクリートを組み合わせて、それぞれの長所を生かす構造です。

SRC造・CFT造・合成構造は、SRCの累加強度式、CFTのコンファインド効果、合成梁、混合構造のコア壁を覚える分野です。

誤りの選択肢は、各構造の特性や力の負担を少しだけ入れ替えてあります。それぞれの仕組みで押さえれば見抜けます。

SRC・CFT・合成・混合の特徴

構造 特徴・要点
SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート)鉄骨をRCで被覆。曲げ終局耐力は累加強度式(コンクリート・鉄筋・鉄骨の曲げ終局耐力の和)で求める。粘り強く耐震性が高い。引張軸力が生じる柱脚は原則埋込み形式
CFT造(コンクリート充填鋼管)鋼管にコンクリートを充填。鋼管が中身を拘束するコンファインド効果で充填コンクリートの圧縮強度を高く評価できる(円形>角形)。耐火性能も鋼管単体より向上
合成梁鉄骨梁とRCスラブを頭付きスタッドで緊結。完全合成梁はスタッドを必要本数以上。床スラブの有効幅はRC梁と同じでよい
混合構造RCコア壁=耐震要素(水平力を負担)、外周の鉄骨骨組=鉛直荷重・大スパン化。RC柱+鉄骨梁の接合部はせん断・支圧破壊を確認

鉄骨は引張・じん性に強く、コンクリートは圧縮・耐火・剛性に強い。両者を組み合わせ、足りないところを補い合うのがこれらの構造です。

毎年問われる論点

  • SRC柱の曲げ終局耐力は累加強度式(各材の和)で求められます。一方、せん断は鉄骨部分とRC部分の許容せん断力を単純に足す扱いはできません。
  • CFTのコンファインド効果は、角形鋼管より円形鋼管のほうが高くなります。充填コンクリートの圧縮強度を高く評価できます。
  • デッキ合成スラブの長期荷重による変形増大係数は、梁と同じにはできません(梁と異なる値)。
  • 混合構造ではRCコア壁が水平力(耐震要素)を負担し、外周の鉄骨骨組が鉛直荷重を負担して大スパン化に適します。「外周が水平力・コアが鉛直」は逆で誤りです。

まちがえやすいポイント

SRC柱は曲げ終局耐力は累加できるが、せん断は単純に累加できない。ここが引っかけの定番です。

CFTは円形>角形・耐火性能も向上。混合構造はRCコアが水平力。デッキ合成スラブの変形増大係数は梁と別物。この向きを固定で押さえてください。

過去問の肢で確認(〇が正しい・×が誤り)

過去10年で実際に出た記述です。各構造の特性や力の負担を1か所だけ入れ替えてあります。

正誤 記述と出典
×CFT柱は、同一断面・同一板厚の鋼管構造の柱に比べ、塑性変形性能は高いが耐火性能は同等である。
→ CFTは充填コンクリートにより耐火性能も向上します〔H29 No.23〕
×外周を鉄骨造・コアをRC壁とした混合構造は、外周の骨組が主に水平力を、コア壁が主に鉛直荷重を負担する。
→ 逆。RCコア壁が水平力(耐震要素)を負担します〔R5 No.23〕
×鉄骨造のデッキ合成スラブの長期荷重による変形増大係数は、梁と同じとできる。
→ 梁とは異なる値です〔R6 No.23〕
×SRC柱の短期せん断の検討で、鉄骨部分とRC部分の許容せん断力の和が設計用せん断力を下回らないものとする。
→ せん断は単純に累加できません〔R4 No.23〕
CFT柱は、コンファインド効果により、充填コンクリートの圧縮強度を通常のRCより高く評価できる。
→ 正しい〔R6 No.23〕
SRC柱の曲げ終局耐力は、コンクリート・鉄筋・鉄骨の曲げ終局耐力の和とできる。
→ 正しい(累加強度式)〔R6 No.23〕

過去問でどう問われたか(過去10年)

SRC・CFT・合成構造はNo.23の定位置で問われます。論点はSRCの累加・CFTのコンファインド効果・合成梁・混合構造のコア壁に集まります。正答は建築技術教育普及センターの公式正答によります。

年度・No. 正答 問われた論点と引っかけ
R7 No.231各種構造。SRCの方向別設計・CFTの応力伝達は正しい肢(誤りは壁式RCの混用)
R6 No.233合成構造。デッキ合成スラブの変形増大係数を「梁と同じ」とする誤り(CFT・SRC累加は正しい肢)
R5 No.234合成・混合構造。鉄骨外周+RCコアで「コアが鉛直・外周が水平」とする誤り(RCコアが水平力)
R4 No.231各種構造。SRC柱の短期せん断を「鉄骨+RCの許容せん断力の和」とする誤り(単純累加不可)
R3 No.233各種構造。SRC埋込み型柱脚の曲げ終局耐力の求め方に関する誤り(壁式RCの肢は正しい)
R2 No.231各種構造。SRC・CFTの肢は正しい(誤りはポストテンションの定義)
H29 No.233合成・混合構造。CFTの耐火性能を「鋼管と同等」とする誤り(CFTは耐火も向上)
H28 No.233各種構造。合成・混合構造の肢は正しい(誤りは壁式RCの混用)

※ 過去10年(H28〜R7)を確認し、SRC・CFT・合成構造はほぼ毎年No.23で出題されています。R3〜R7は各問の解説へリンクしています(H28〜R2の解説は順次追加予定)。

覚え方

SRCは曲げ累加・せん断は累加不可、CFTは円形>角形・耐火も向上、混合はRCコアが水平力。

  • SRC=曲げ終局耐力は累加(各材の和)/せん断は単純累加できない。引張柱脚は埋込み形式
  • CFT=コンファインド効果で圧縮強度を高く評価、円形>角形、耐火性能も向上
  • 合成梁=頭付きスタッドで緊結、有効幅はRC梁と同じ/デッキ合成スラブの変形増大係数は梁と別物
  • 混合構造=RCコアが水平力(耐震要素)、外周鉄骨が鉛直・大スパン

理解度チェック

Q.

SRC柱では、曲げ終局耐力もせん断耐力も、鉄骨とRCの和として単純に累加できる。〇か×か。

×曲げ終局耐力は累加できますが、せん断は単純に累加できません

Q.

CFT柱のコンファインド効果は、角形鋼管のほうが円形鋼管より高い。〇か×か。

×円形鋼管のほうが拘束効果が高くなります。

Q.

外周を鉄骨・コアをRC壁とした混合構造では、RCコア壁が水平力を負担する。〇か×か。

。RCコア壁が耐震要素として水平力を、外周の鉄骨骨組が鉛直荷重を負担します。

まとめ

SRCは曲げ累加・せん断は別、CFTは円形>角形、混合はRCコアが水平力。鉄骨とコンクリートの長所配分で覚える。

SRCの累加強度式、CFTのコンファインド効果(円形>角形・耐火も向上)、合成梁の頭付きスタッド、混合構造のコア壁。それぞれの仕組みを押さえれば、合成・混合構造の文章題は照合で解けます。

構造のまとめ(分野別)へ

参考(実ページで確認)

  • 建築技術教育普及センター「一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)問題」(SRC・CFT・合成構造の出題内容・公式正答)
  • SRCの累加強度式・CFTのコンファインド効果(円形>角形・耐火向上)・混合構造のコア壁:過去問(H29 No.23・R4〜R7 No.23)で確認
  • SRC造(日本建築学会 鉄骨鉄筋コンクリート構造計算規準)・合成梁・デッキ合成スラブの設計
建築士試験 解説ノート

編集・解説

建築士試験 解説ノート編集部

建築業界の実務経験をもとに、一級・二級建築士試験の「構造」を過去問の問われ方から整理しています。運営者情報

Topへ >>