建築設備工事は、一級建築士 施工のNo.20で毎年出るテーマです。
建築と設備の取り合い(納まり)を施工面から数値で問います。誤りの選択肢は、管の用途を入れ替えたり、勾配・間隔を1か所だけすり替えたりしてきます。だから正しい管・正しい数値を取り違えないことが対策になります。まず電気配管から整理します。
CD管とPF管は、どちらも合成樹脂製可とう電線管ですが、使える場所が違います。違いは自己消火性の有無です。
| 管 | 自己消火性 | 使える場所・色 |
|---|---|---|
| CD管 | なし | コンクリート埋設専用。オレンジ色 |
| PF管 | あり | 場所を問わない(コンクリート埋設・壁内・天井裏・露出)。白・ベージュ等 |
引っかけは、軽量鉄骨(LGS)壁の中や天井裏の配線にCD管を使うとする記述です(令和5年)。自己消火性がないCD管はコンクリートの中だけで、それ以外はPF管を使います。「オレンジはコンクリートの中専用」と覚えます。
排水横走り管は、自然流下で汚水・雑排水を流す配管です。勾配が緩いと流速が落ちて固形物が堆積し、詰まります。最小勾配は管径で決まり、太い管ほど緩くなります。
| 管径(呼び径) | 最小勾配 |
|---|---|
| 65以下 | 1/50 |
| 75・100 | 1/100 |
| 125 | 1/150 |
| 150以上 | 1/200 |
勾配の分数は分母が大きいほど緩いです。呼び径75を「1/150」、呼び径125を「1/200」とするのは基準より緩く誤りで、令和6年・平成30年で問われました。
給排水は、飲み水と汚水を近づけない(クロスコネクションを防ぐ)のが大原則です。納まりの数値が問われます。
| 項目 | 基準 |
|---|---|
| 給水管と排水管の平行埋設 | 水平実間隔 500mm以上。給水管は上方に置く |
| 飲料用貯水槽の間接排水 (排水口空間) | 150mm以上 |
| 寒冷地の埋設深さ | 車両道路は管上端から 600mm以上/その他は 300mm以上かつ凍結深度以上 |
| 埋設表示用アルミテープ | 土被り 150mm程度 |
平行埋設の水平実間隔を「300mm」とする引っかけは、令和7年・令和元年で誤りとして出ました。雑用水管と上水道管の誤接続を防ぐため、施工後に着色通水試験を行います。
自動火災報知設備の感知器(差動式スポット型・煙式とも)は、換気口などの空気吹出し口から1.5m以上離して設置します。吹出し口の近くだと、空気の流れで熱や煙を感知しにくくなるためです。「1.2m」とするのは平成28年で誤りでした。
配管の横走りは、たわみ・脱落を防ぐため支持間隔が決まっています。たとえば一般配管用ステンレス鋼鋼管(呼び径80)の横走り配管は、支持間隔2.0m以内とします。
| 論点 | 正しい記述(○)と、よくある誤り(×) |
|---|---|
| 給排水の平行埋設 | ○ 水平実間隔500mm以上・給水管は上方/× 300mmでよい |
| 排水横走り管の勾配 | ○ 太い管ほど緩い(65以下1/50・75/100は1/100)/× 呼び径75を 1/150 |
| CD管とPF管 | ○ 壁内・天井裏はPF管/× CD管でよい(CD管はコンクリート専用) |
| 感知器と吹出し口の離隔 | ○ 1.5m以上/× 1.2mでよい |
| 飲料用貯水槽の排水口空間 | ○ 150mm以上の間接排水/× 直接排水でよい |
CD管はコンクリート専用(壁内はPF管)、排水勾配は太いほど緩い(分母が大きいほど緩い)、給排水の平行間隔は500mm、感知器は吹出し口から1.5m。用途の入れ替えと、数値を緩め・狭めにするすり替えに気づけるよう固定しておきましょう。
給水管と排水管を平行に埋設するとき、給水管を上方とし、水平実間隔を300mm確保した。〔R7 No.20〕
×。水平実間隔は500mm以上とします。給水管を上方に置く点は正しいですが、300mmでは不足です。これが令和7年の正答(誤りの肢)でした。
屋内の横走り排水管の最小勾配を、呼び径50で1/100、呼び径75で1/150とした。〔R6 No.20〕
×。呼び径65以下は1/50、呼び径75・100は1/100です。1/100・1/150はいずれも基準より緩く、流速不足になります。
軽量鉄骨壁下地内の低圧配線に、CD管を使用した。〔R5 No.20〕
×。CD管は自己消火性がなくコンクリート埋設専用です。壁内・天井裏など埋設以外はPF管を使います。
煙感知器(光電式スポット型)を、空気吹出し口から1.2m離して取り付けた。〔H28 No.20〕
×。感知器は空気吹出し口から1.5m以上離します。吹出し口の近くは空気の流れで感知が遅れます。
| 年度 | No. | 正解 | 主に問われた論点 |
|---|---|---|---|
| 令和7年 | 20 | 1 | 給排水の平行埋設(水平間隔500mm) |
| 令和6年 | 20 | 4 | 排水横走り管の最小勾配(呼び径別) |
| 令和5年 | 20 | 3 | CD管とPF管の使い分け(壁内はPF) |
| 令和4年 | 20 | 4 | 雷保護の接地極とガス管の離隔 |
| 令和3年 | 20 | 2 | 蒸気給気管の勾配(先上り・先下り) |
| 令和2年 | 20 | 2 | エレベーターの地震感知器(P波・S波の位置) |
| 令和元年 | 20 | 3 | 給排水の平行埋設(水平間隔500mm) |
| 平成30年 | 20 | 3 | 排水横走り管の最小勾配(呼び径125) |
| 平成29年 | 20 | 1 | ロックウール保温材の密度 |
| 平成28年 | 20 | 1 | 感知器と吹出し口の離隔(1.5m) |
※ 過去10年分(平成28年〜令和7年)を確認。設備工事は毎年No.20で出題され、CD/PF管・排水勾配・給排水の納まり・感知器がくり返し問われます。令和2年以前の解説リンクは順次追加予定です。
混同しやすいポイント
CD管(オレンジ)は自己消火性がなくコンクリート埋設専用。PF管(白・ベージュ等)は自己消火性があり場所を問いません。壁内・天井裏はPF管です。
1/150は1/100より緩い勾配です。「数字が大きいほど急」と勘違いすると、基準より緩いものを正しいと誤判定します。分母が大きいほど緩い、と覚えます。
平行埋設では水平実間隔500mm以上。さらに給水管は排水管の上方に置きます。汚水で飲み水が汚染されないための納まりです。
出典・参考(実ページで確認)
※ この記事の確認日:2026年6月
まちがえやすいポイント
誤りの選択肢は管の用途を入れ替えたり(CD管を壁内)、勾配や間隔を緩め・狭めにすり替えたりする形がほとんどです。
とくに「CD管=コンクリート専用」「勾配は分母が大きいほど緩い」「平行間隔500mm」「感知器1.5m」は常連。正しい管・正しい数値を照合してください。