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壁構造(壁式RC・補強CB)のまとめ【過去10年分】|一級建築士試験 構造の過去問・頻出ポイント

壁構造は一級建築士 学科Ⅳ(構造)で出ます。柱や梁ではなく、壁で建築物を支える構造です。壁式鉄筋コンクリート造と補強コンクリートブロック造が中心で、それぞれの適用範囲や数値の決まりが問われます。

過去10年(H28〜R7)では、No.22〜23の各種構造とNo.30の構造計画で、ほぼ毎年(10年中9年)壁式RC造か補強コンクリートブロック造が問われています。

壁構造は、壁式RC造の「適用範囲の数値」と、補強コンクリートブロック造の塀の「数値」を覚える分野です。

誤りの選択肢は、適用範囲の階数・高さや、塀の数値を1か所だけ入れ替えてあります。数字をそのまま覚えるのが対策です。

壁式鉄筋コンクリート造の適用範囲

ラーメン構造と違い、壁式RC造は規模に上限があります。原則として次の範囲です。

項目 数値の核心
地上の階数5以下
軒の高さ20m以下
各階の階高3.5m以下
壁量・壁厚階数が多いほど必要壁量を大きく、壁厚を厚くする(耐力壁を平面的にバランスよく配置)

壁式RC造は、耐力壁が水平力を負担します。耐力壁をつり合いよく配置することが前提で、開口で壁が分断されると性能が落ちます。

壁式RCで毎年問われる論点

適用範囲の数値だけでなく、次の4点が過去10年でくり返し問われます。

  • 壁式ラーメンRC造との適用高さ。壁式RC造は中低層向けで、軒高の高い建築物には壁式ラーメンRC造のほうが適用できます。「壁式RCのほうが高い建物に使える」とする記述は逆で誤りです。
  • 壁式RC造と壁式PC(プレキャスト)造の混用。同じ建築物の同じ階に混用できます。「混用できない」とする記述は誤りです。
  • 耐力壁の小開口。住宅用の換気扇程度の小開口でも、補強なしで「開口がないもの」とはみなせません。「補強なしで無開口とみなせる」とする記述は誤りです。
  • 設計基準強度と必要壁量。コンクリートの設計基準強度を高くすると、必要壁量を小さくできます(正しい記述として出ます)。

補強コンクリートブロック造の塀(令62条の8)

ブロック塀は地震時の転倒が問題になるため、数値が細かく定められています。出題の中心です。

項目 基準
高さ2.2m以下
壁の厚さ15cm以上(高さ2m以下の塀は10cm以上)
控壁長さ3.4m以下ごとに、径9mm以上の鉄筋を配置した控壁を設け、基礎の部分で壁面から高さの1/5以上突出させる
鉄筋・基礎壁内に径9mm以上の鉄筋を縦横80cm以下の間隔で配置。基礎の丈は35cm以上、根入れ30cm以上

控壁が必要になるのは、高さが一定を超えるブロック塀です。「控壁は不要」「壁厚は10cmでよい(高さ2.2mの塀)」という記述は誤りになります。

学科Ⅳ(構造)で実際に問われるのは、寸法よりも塀の設計用地震力です。補強コンクリートブロック造の塀は、地表面から突出する構造物(煙突に準じる)として地震力を計算します。建築物の地下部分のように深さで水平震度を低減することはできません。「地下部分と同様に水平震度を低減できる」とする記述は誤りです。

まちがえやすいポイント

壁式RC造は階数5以下・軒高20m以下・階高3.5m以下。この数値を引き上げた記述が誤りになります。

ブロック塀は高さ2.2m以下・壁厚15cm以上(2m以下は10cm)・控壁は3.4m以下ごと。控壁の要否と壁厚の取り違えが頻出です。

過去問の肢で確認(〇が正しい・×が誤り)

過去10年で実際に出た記述です。数値や大小、できる・できないを1か所だけ入れ替えてあります。

正誤 記述と出典
×壁式RC造は、壁式ラーメンRC造に比べて、軒の高い建築物に適用できる。
→ 逆。軒の高い建物は壁式ラーメンRC造です〔R2 No.22〕
×壁式RC造と壁式PC造は、一つの建築物の同じ階に混用できない。
混用できます〔H28 No.23・R7 No.23〕
×耐力壁の長さの算定で、住宅用の換気扇程度の開口は、補強せずに開口がないものとみなせる。
補強なしではみなせません〔H30 No.22・R6 No.22〕
×壁式RC造は、軒高20mの地上6階建てでも採用できる。
→ 原則地上5階以下・軒高20m以下です〔H29 No.22〕
×補強CB造の塀の地震力は、建築物の地下部分と同様に、深さに応じて水平震度を低減できる。
地表面から突出する構造物として計算します〔R7 No.30〕
壁式RC造で、コンクリートの設計基準強度を高くすると、必要壁量を小さくできる。
→ 正しい〔H30 No.22・R3 No.23〕

過去問でどう問われたか(過去10年)

壁構造はNo.22〜23の各種構造とNo.30の構造計画で問われます。壁式RC造の適用範囲・混用・小開口と、補強CB造塀の設計用地震力に論点が集まります。正答は建築技術教育普及センターの公式正答によります。

年度・No. 正答 問われた論点と引っかけ
R7 No.231各種構造。壁式RCと壁式PCを「同じ階に混用できない」とする誤り(混用できる)
R7 No.301構造計画。補強CB塀の地下水平震度を「建築物地下と同様に低減」とする誤り(突出構造物扱い)
R6 No.222壁式RC。換気扇程度の小開口を「補強なしで無開口とみなせる」とする誤り
R5 No.142RC靭性。壁式の耐力壁はラーメンの耐力壁より靱性が低い(正しい肢/誤りは別肢)
R4 No.231各種構造。壁式RCは強度大・靱性小、階高超で層間変形角+保有耐力を確認(正しい肢/誤りは別肢)
R3 No.233各種構造。壁式RCとPCは混用できる・基準強度↑で壁量↓(正しい肢/誤りは別肢)
R3 No.304非構造部材。補強CB塀は突出構造物(煙突に準じる)として地震力(正しい肢/誤りは別肢)
R2 No.223壁式RC。壁式RCを「壁式ラーメンRCより軒の高い建物に適用」とする誤り(逆)
H30 No.224壁式RC。換気扇程度の小開口を「補強なしで無開口とみなせる」とする誤り
H29 No.224各種構造。壁式RCを「軒高20mの地上6階建てで採用できる」とする誤り(5階以下)
H28 No.233各種構造。壁式RCとPCを「同じ階に混用できない」とする誤り(混用できる)

※ 過去10年(H28〜R7)を確認し、壁構造はR1(2019年)を除く9年で出題されています。R3・R4・R6・R7は各問の解説へリンクしています(H28〜R2の解説は順次追加予定)。

覚え方

壁式RCは「5・20・3.5」、ブロック塀は「2.2・15(2m以下は10)・3.4」。

  • 壁式RC造=階数5以下・軒高20m以下・階高3.5m以下。階数が多いほど壁量・壁厚を増やす
  • ブロック塀=高さ2.2m以下、壁厚15cm以上(高さ2m以下は10cm以上)
  • 控壁=長さ3.4m以下ごと、基礎で高さの1/5以上突出
  • 塀の鉄筋=径9mm以上を縦横80cm以下、基礎の丈35cm以上・根入れ30cm以上
  • 軒の高い建物は壁式ラーメンRC(壁式RCは中低層)。壁式RCと壁式PCは混用できる
  • 換気扇程度の小開口でも補強なしで無開口扱いにはできない
  • 補強CB塀の地震力=地表面から突出する構造物(地下の低減はしない)

理解度チェック

Q.

壁式鉄筋コンクリート造は、地上6階建てでも原則として採用できる。〇か×か。

×。原則として地上階数5以下・軒高20m以下・階高3.5m以下です。

Q.

高さ2.2mの補強コンクリートブロック造の塀の壁の厚さは、10cmでよい。〇か×か。

×。高さ2mを超える塀の壁厚は15cm以上です。10cm以上でよいのは高さ2m以下の塀です。

Q.

補強コンクリートブロック造の塀の控壁は、長さ3.4m以下ごとに設ける。〇か×か。

。径9mm以上の鉄筋を配置した控壁を、基礎の部分で壁面から高さの1/5以上突出させます。

まとめ

壁式RCの「5・20・3.5」と、ブロック塀の「2.2・15・3.4」を数字で覚える。

壁式RC造は階数5以下・軒高20m以下・階高3.5m以下、ブロック塀は高さ2.2m以下・壁厚15cm以上(2m以下は10cm)・控壁3.4m以下ごと。数値を引き上げ/引き下げた記述を見抜けば得点できます。

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参考(実ページで確認)

  • 建築技術教育普及センター「一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)問題」(壁構造の出題内容)
  • 壁式鉄筋コンクリート造の適用範囲(地上階数5以下・軒高20m以下・階高3.5m以下):壁式RC造設計規準
  • 建築基準法施行令 第62条の8(補強コンクリートブロック造の塀:高さ2.2m以下・壁厚・控壁3.4m以下ごと)
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編集・解説

建築士試験 解説ノート編集部

建築業界の実務経験をもとに、一級・二級建築士試験の「構造」を過去問の問われ方から整理しています。運営者情報

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