荷重・外力は一級建築士 学科Ⅳ(構造)の文章題で毎年出ます。過去10年(H28〜R7)はNo.7〜8の枠で必ず1〜2問あり、固定荷重・積載荷重・積雪荷重・風圧力・地震力が対象です。計算ではなく、各荷重の数値と決まりを問う形が多いです。
荷重・外力は、積載荷重の3区分の大小関係と、積雪・風・地震の数値・式を覚える分野です。
誤りの選択肢は、数値か大小関係を1か所だけ入れ替えてあります。とくに積載荷重の3区分と、地震力の係数の構成が狙われます。
積載荷重は、用途ごとに「床用」「大梁・柱・基礎用」「地震用(地震力計算用)」の3つの数値が定められています。大小関係は床用 ≧ 大梁・柱・基礎用 ≧ 地震用です。人が一か所に集まる影響が薄まるため、対象が広い計算ほど小さい値を使います。
| 室の種類 | 床用 | 大梁・柱・基礎用 | 地震用 |
|---|---|---|---|
| 住宅の居室 | 1,800 | 1,300 | 600 |
| 事務室 | 2,900 | 1,800 | 800 |
| 百貨店・店舗の売場 | 2,900 | 2,400 | 1,300 |
単位はN/m²です。「床用より地震用のほうが大きい」という記述は、大小関係が逆で誤りです。
| 荷重 | 数値・式の核心 |
|---|---|
| 積雪荷重(令86条) | 積雪の単位荷重は、積雪量1cmごとに20N/m²以上(一般区域)。多雪区域は条例で定める。屋根勾配が60度を超えると、積雪荷重を0とできる(雪止めがない場合) |
| 風圧力(令87条) | 風圧力=速度圧 q × 風力係数 Cf。速度圧 q=0.6・E・Vo²(Vo=その地方の基準風速、E=周辺の状況・高さによる係数) |
| 地震力(令88条) | 地震層せん断力 Qi=Ci × Wi(Wi=その層が支える重量)。地震層せん断力係数 Ci=Z・Rt・Ai・Co |
地下部分の地震力は、地上とは別に水平震度kで計算し、深さとともに小さくなります。「Aiは上階ほど小さい」「Coは保有水平耐力の計算で0.2」という記述は、いずれも逆や数値違いで誤りです。
過去10年で実際に出た記述です。誤り肢は、数値か大小関係を1か所だけ入れ替えてあります。
| 正誤 | 記述と出典 |
|---|---|
| × | 地震力の計算用の積載荷重を、床の計算用より大きくとる。 → 大小が逆。床用 ≧ 大梁・柱・基礎用 ≧ 地震用です〔H30 No.8・R3 No.8〕 |
| × | ある階に作用する地震層せん断力は、その階の固定荷重と積載荷重の和にCiを乗じて求める。 → その階が支える上部の重量の総和にCiを乗じます〔H30 No.7・R6 No.8〕 |
| × | 振動特性係数Rtは、設計用一次固有周期Tが長いほど大きくなる。 → Tが長いほど小さくなります〔R2 No.7・R5 No.7〕 |
| × | 速度圧qは、その地方の基準風速Voに比例する。 → Voの2乗に比例します(q=0.6EVo²)〔H28 No.7・R1 No.7〕 |
| 〇 | 地震層せん断力係数の分布係数Aiは、上の階ほど大きくなる。 → 正しい〔H30 No.7・R7 No.7〕 |
| 〇 | 必要保有水平耐力の計算に用いる標準せん断力係数Coは、1.0以上とする。 → 正しい(一次設計は0.2以上)〔R7 No.7・R2 No.7〕 |
荷重・外力はNo.7〜8の枠で毎年出題されます。問われ方は積載荷重の3区分・地震力の係数・速度圧・積雪に集まります。正答は建築技術教育普及センターの公式正答によります。
| 年度・No. | 正答 | 問われた論点と引っかけ |
|---|---|---|
| R7 No.7 | 1 | 地震力。地下の水平震度kを「深いほど大きい」とする誤り(深いほど小さい) |
| R7 No.8 | 4 | 風圧力。速度圧qを「平均Hの平方根に比例」とする誤り(高さで変わるのはE係数) |
| R6 No.8 | 4 | 荷重・外力。地震層せん断力を「その階の荷重×Ci」とする誤り(支える総重量×Ci) |
| R5 No.7 | 1 | 地震力。第三種地盤の周期Tcを「0.2秒」とする誤り(第三種は0.8秒) |
| R5 No.8 | 2 | 風荷重。屋根葺き材の平均速度圧に「ガスト影響係数Gfを考慮」とする誤り(不考慮) |
| R4 No.8 | 4 | 積雪荷重。多雪区域の指定で「初終間日数30日以上でも積雪量1m未満なら多雪区域でない」とする誤り |
| R3 No.8 | 1 | 荷重・外力。床用積載荷重を「住宅<事務室<教室」とする誤り(事務室>教室) |
| R2 No.7 | 3 | 地震力。振動特性係数Rtを「Tが長いほど大きい」とする誤り(長いほど小さい) |
| R2 No.8 | 4 | 風荷重。屋根葺き材の基準風速Voを「構造骨組と異なる」とする誤り(同じ値) |
| R1 No.7 | 4 | 風圧力。風圧力を「外装材より構造骨組が大きい」とする誤り(外装材のほうが大きい) |
| H30 No.7 | 4 | 地震力。地震層せん断力を「その層の固定+積載荷重×Ci」とする誤り(累積重量×Ci) |
| H30 No.8 | 3 | 荷重。積載荷重を「地震用が最も大きい」とする誤り(床用が最大) |
| H29 No.8 | 1 | 荷重・外力。学校の屋上広場の積載荷重を「教室と同じ」とする誤り(売場と同じ扱い) |
| H28 No.7 | 3 | 荷重・外力。速度圧qを「基準風速Voに比例」とする誤り(Voの2乗に比例) |
※ 過去10年(H28〜R7)を確認し、荷重・外力は毎年No.7〜8で出題されています。R3〜R7は各問の解説へリンクしています(H28〜R2の解説は順次追加予定)。
積載荷重は「床 ≧ 大梁柱 ≧ 地震」、地震力は Ci=Z・Rt・Ai・Co。
同一の室で、積載荷重は「床用 < 地震用」の関係になる。〇か×か。
×。床用 ≧ 大梁・柱・基礎用 ≧ 地震用です。対象が広い計算ほど小さい値を使います。
地震層せん断力係数の分布係数Aiは、上の階ほど大きくなる。〇か×か。
〇。Aiは上の階ほど大きくなります。Ci=Z・Rt・Ai・Coの構成も押さえましょう。
一般区域の積雪の単位荷重は、積雪量1cmにつき20N/m²以上である。〇か×か。
〇。一般区域は20N/m²/cm以上です。多雪区域は条例で定められ、積雪を風圧力・地震力と組み合わせる点も異なります。
積載荷重の大小関係と、地震力 Ci=Z・Rt・Ai・Co をセットで覚える。
床用 ≧ 大梁柱用 ≧ 地震用、積雪20N/m²/cm、速度圧q=0.6EVo²、Coは0.2以上(保有1.0以上)。数値と大小・式を固定で押さえれば、荷重・外力の文章題は照合で解けます。
参考(実ページで確認)
※ この記事の確認日:2026年6月
まちがえやすいポイント
積載荷重は床用 ≧ 大梁・柱・基礎用 ≧ 地震用。この大小関係を逆にした記述が誤りで多い形です。
地震では、Aiは上階ほど大きい、Coは0.2以上(保有水平耐力時は1.0以上)。速度圧はq=0.6EVo²。積雪の単位荷重は20N/m²/cm。この4点を固定で押さえてください。