特定天井と非構造部材の設計用地震力は、一級建築士 学科Ⅳ(構造)のNo.30で周期的に出題されます。柱・梁・耐力壁などの主要な構造部材ではない、天井・設備機器・水槽・塀などの地震対策がテーマです。
特定天井はつり天井の脱落対策、非構造部材は設計用地震力の大きさと向きを覚える分野です。
誤りの選択肢は、特定天井の定義や検証の要否、地震力の大小を少しだけ入れ替えてあります。
大地震での天井落下事故を受けて定められた、脱落対策の対象となる天井です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 定義 | つり天井のうち、高さ6m超・水平投影面積200m²超・単位面積質量2kg/m²超で、人が日常立ち入る場所のもの。「支持方式にかかわらず」該当するのではなく、つり天井であることが要件 |
| 目標 | 中地震時に天井の損傷を防止し、それを超える地震時にも脱落の低減を図る |
| 構造方法 | ①壁等との間に隙間(クリアランス)を設ける方法(仕様ルートは隙間6cm以上)②隙間を設けない方法。どちらも地震時の脱落安全性の検証が必要 |
| 既存改修 | ネットやワイヤーによる一時的な脱落防止措置も許容される |
| 免震建築物 | 免震でも特定天井の脱落対策技術基準(検証)は適用される |
令39条3項・平成25年告示第771号が根拠です。法令上の位置づけは用語の定義(法規)側でも扱います。
天井のほか、設備機器・水槽・塀などにも地震力を考えます。向きと大小が問われます。
過去10年で実際に出た記述です。定義や検証の要否、地震力の大小を1か所だけ入れ替えてあります。
| 正誤 | 記述と出典 |
|---|---|
| × | 高さ6m超・水平投影面積200m²超・単位面積質量2kg/m²超の天井は、支持方式にかかわらず特定天井に該当する。 → つり天井であることが要件です〔R2 No.30〕 |
| × | 特定天井の既存改修では、ネット・ワイヤーによる一時的な脱落防止は認められず、新築同様の技術基準への適合が必須である。 → 一時的な脱落防止措置も許容されます〔R5 No.30〕 |
| × | 一端固定のエスカレーターの固定部の設計用鉛直標準震度は、全ての階で同じとする。 → 階により異なります〔R3 No.30〕 |
| 〇 | 壁等との間に隙間を設けない構造方法の特定天井でも、地震時の脱落に対する安全性の検証を行う必要がある。 → 正しい〔R5 No.30〕 |
| 〇 | 免震建築物においても、特定天井については脱落対策に係る技術基準が適用される。 → 正しい〔R2 No.30・R5 No.30〕 |
特定天井はNo.30の専用問題(R2・R5)や構造計画の肢で、非構造部材の設計用地震力はR3 No.30で問われます。正答は建築技術教育普及センターの公式正答によります。
| 年度・No. | 正答 | 問われた論点と引っかけ |
|---|---|---|
| R7 No.30 | 1 | 構造計画。補強CB塀の地下水平震度を「建築物地下と同様に低減」とする誤り(突出構造物扱い) |
| R5 No.30 | 2 | 特定天井。既存改修で「ネット・ワイヤー不可・新築同様適合必須」とする誤り(一時的措置も許容) |
| R3 No.30 | 4 | 非構造部材の設計用地震力。エスカレーター固定部の鉛直標準震度を「全階同じ」とする誤り(階で異なる) |
| R2 No.30 | 1 | 特定天井。「支持方式にかかわらず該当」とする誤り(つり天井が要件) |
| R4 No.30 | — | 構造計画。特定天井の構造方法(隙間を設ける/設けない)は正しい肢として登場 |
| H30 No.30 | — | 構造計画。隙間を設けない特定天井(天井と壁を一体化)は正しい肢として登場 |
※ 過去10年(H28〜R7)を確認し、特定天井・非構造部材はNo.30で周期的に出題されています。R3・R5・R7は各問の解説へリンクしています(R2・H30の解説は順次追加予定)。
特定天井は「つり天井・6m超・200m²超・2kg/m²超」、非構造部材は設備機器が上層ほど大・突出構造物は低減しない。
高さ6m超・面積200m²超・質量2kg/m²超の天井は、支持方式にかかわらず特定天井に該当する。〇か×か。
×。つり天井であることが要件です。直天井などは該当しません。
壁等との間に隙間を設けない構造方法の特定天井は、地震時の安全性検証を省略できる。〇か×か。
×。隙間を設けない方法でも脱落に対する安全性の検証が必要です。
設備機器の設計用水平震度は、上層階ほど大きくとる。〇か×か。
〇。上層階ほど揺れが大きくなるため、設計用水平震度も大きくとります。
特定天井はつり天井・6m/200m²/2kg、検証は隙間の有無を問わず必要。非構造部材は上層ほど大・突出構造物は低減なし。
特定天井の定義と検証の要否、非構造部材の設計用地震力の大小・向きを押さえれば、No.30の文章題は照合で解けます。補強CB塀の詳しい数値は壁構造のまとめを参照してください。
参考(実ページで確認)
※ この記事の確認日:2026年6月
まちがえやすいポイント
特定天井はつり天井であることが要件。「支持方式にかかわらず該当」は誤りです。隙間を設けない構造方法でも検証は必要です。
非構造部材の設計用地震力は、設備機器は上層ほど大きく、突出構造物(煙突・塀)は地下のように低減しない。この向きを押さえてください。