建築士試験 解説ノート

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工事の申請・届出のまとめ【過去10年分】|一級建築士試験 施工の過去問・頻出ポイント

申請・届出は、一級建築士 施工のNo.4で毎年出るテーマです。

覚えるのは「誰が・どこへ・いつまでに」の3点です。誤りの選択肢は、提出先を別の役所にすり替えてきます。だから「その届出は誰に出すのか」を固定するのが対策になります。まず全体を一覧で押さえます。

届出・申請の提出先と期限の一覧

届出・申請 提出先 期限
機械等設置届(足場 高さ10m・60日以上、クレーン、型枠支保工等)労働基準監督署長着工 30日前
建設工事計画届(石綿の解体等)労働基準監督署長14日前
共同企業体代表者届都道府県労働局長14日前
特定建設作業実施届(騒音・振動規制法)市町村長作業開始 7日前
特定粉じん排出等作業実施届(大気汚染防止法・石綿)都道府県知事作業開始 14日前
建設リサイクル法の届出(解体80m²・新築500m²以上等)都道府県知事
(政令市は市長)
着手 7日前
仮設建築物等の緩和許可(建基法85条)特定行政庁事前
工事中における安全上の措置等に関する計画届特定行政庁事前
建築物除却届(建築主事経由)
都道府県知事
事前
道路使用許可警察署長事前
道路占用許可・特殊車両通行許可道路管理者事前
消防用設備等設置届消防長・消防署長完了後 4日以内
危険物貯蔵所設置許可市町村長等事前

横軸(提出先)でまとめ直すと、頭に残りやすくなります。以下、まぎらわしい組を順に整理します。

労働基準監督署長への届出は期限がカギ

足場・クレーン・型枠支保工などの機械等設置届や、石綿の建設工事計画届は労働基準監督署長に出します。これらは提出先より期限が問われやすいです。

機械等設置届(足場・クレーン等)は着工の30日前まで、石綿の解体などの建設工事計画届は14日前までです。30日と14日を取り違えないようにします。

なお共同企業体(JV)代表者届は、同じ労働関係でも提出先が都道府県労働局長(14日前)です。労働基準監督署長と混同しやすいので分けて覚えます。

特定行政庁・建築主事・知事・市町村長はどう使い分けるか

役所の名前のすり替えが、この分野の最大の引っかけです。代表的な区別を押さえます。

  • 特定行政庁=許可を行う行政庁。仮設建築物等の緩和許可(建基法85条)・工事中における安全上の措置等の計画届はここへ。建築主事(確認・検査を行う)とは別物
  • 市町村長=特定建設作業実施届(騒音・振動規制法、作業開始7日前)。都道府県知事と取り違えやすい
  • 都道府県知事=建設リサイクル法の届出(着手7日前)、特定粉じん排出等作業実施届(石綿・大気汚染防止法)、建築物除却届。これらは「特定行政庁」ではない

とくに「特定建設作業=市町村長」「建設リサイクル法・特定粉じん=都道府県知事」「仮設緩和許可・安全上の措置等計画届=特定行政庁」は、別の役所に書き換えた誤りがよく出ます。

道路・消防の許可はどこへ出すか

道路と消防も、提出先がまぎらわしくよく狙われます。

  • 道路使用許可(資材搬入で道路を一時使用等)=警察署長(道路交通法)
  • 道路占用許可(仮囲い・足場で道路を継続占用)・特殊車両通行許可歩道の切下げ承認道路管理者(道路法)
  • 消防用設備等設置届=消防長・消防署長へ、工事完了後4日以内(数少ない「事後」の届出)
  • 危険物貯蔵所の設置許可=市町村長等(消防法)

道路は「使用=警察署長/占用・切下げ=道路管理者」が核心です。多くの届出が事前なのに対し、消防用設備等設置届は完了後という時期の違いも狙われます。

毎年問われる論点(○が正しい・×が誤り)

論点 正しい記述(○)と、よくある誤り(×)
建設リサイクル法の届出先 ○ 都道府県知事(着手7日前・発注者)/× 特定行政庁
特定建設作業実施届 ○ 市町村長(7日前)/× 都道府県知事
仮設緩和許可・安全上の措置等計画届 ○ 特定行政庁/× 建築主事・都道府県知事
道路使用許可 ○ 警察署長/× 道路管理者(占用・切下げは道路管理者)
建築物除却届 ○ 都道府県知事(建築主事経由)/× 特定行政庁

覚え方

機械等設置届は労基署長30日前、特定建設作業は市町村長7日前、建設リサイクル・特定粉じんは知事、仮設緩和許可・安全上の措置等計画届は特定行政庁、道路使用は警察署長。提出先を別の役所にすり替える形に気づけるよう、届出ごとに「どこへ」を固定しておきましょう。

過去問の肢で確認

Q.

建設リサイクル法に基づく届出書を、特定行政庁あてに提出した。〔R7 No.4〕

×。届出先は都道府県知事(政令市は市長)で、発注者が着手7日前までに行います。特定行政庁は建築基準法の概念です。これが令和7年の正答(誤りの肢)でした。

Q.

騒音規制法の特定建設作業実施届出書を、都道府県知事に提出した。〔R6 No.4〕

×。提出先は市町村長(作業開始の7日前まで)です。都道府県知事ではありません。

Q.

道路に外部足場を設置し、継続して道路の一部を使用するため、道路使用許可申請書を道路管理者に提出した。〔R3 No.4〕

×。継続して占用するのは道路占用許可(道路管理者)。「道路使用許可」は警察署長(道路交通法)で、提出先と許可の種類が食い違っています。

Q.

高さ40mの建築物の解体工事にあたり、建設工事計画届を特定行政庁あてに提出した。〔H28 No.4〕

×。建設工事計画届は労働基準監督署長へ(工事開始14日前)です。特定行政庁ではありません。

過去問の出題一覧(一級建築士 施工 No.4)

年度 No. 正解 主に問われた論点
令和7年44建設リサイクル法の届出先(都道府県知事)
令和6年43特定建設作業実施届の提出先(市町村長)
令和5年42仮設緩和許可の申請先(特定行政庁)
令和4年41歩道切下げの承認先(道路管理者)
令和3年44道路使用許可・占用許可の提出先
令和2年44建築物除却届の提出先(都道府県知事)
令和元年41特定粉じん排出等作業実施届の提出先(都道府県知事)
平成30年42届出の組合せ(提出先・期限の総合)
平成29年43安全上の措置等計画届の提出先(特定行政庁)
平成28年42建設工事計画届の提出先(労働基準監督署長)

※ 過去10年分(平成28年〜令和7年)を確認。No.4は申請・届出の「提出先」のすり替えが毎年の軸で、まれに「届出・届出者・時期・届出先」の組合せ形式(平成29・30・令和元年)でも問われます。令和2年以前の解説リンクは順次追加予定です。

混同しやすいポイント

特定行政庁 と 建築主事

特定行政庁は許可(仮設建築物の緩和許可・安全上の措置等の計画届など)を受ける行政庁。建築主事は確認・検査を行う立場。許可・計画届は特定行政庁、確認申請は建築主事(または指定確認検査機関)です。

市町村長(特定建設作業) と 都道府県知事(建設リサイクル法・特定粉じん)

騒音・振動規制法の特定建設作業実施届は市町村長へ(7日前)。建設リサイクル法の届出・大気汚染防止法の特定粉じん排出等作業実施届は都道府県知事へ。提出先が違います。

道路使用(警察署長) と 道路占用・切下げ(道路管理者)

一時的に道路を使うのが道路使用許可(警察署長)、継続して占用するのが道路占用許可、歩道の切下げ承認も道路管理者です。特殊車両通行許可も道路管理者です。

まちがえやすいポイント

誤りの選択肢は提出先を別の役所にすり替えたり、提出時期(事前・事後)を入れ替えたりする形がほとんどです。

とくに「特定建設作業=市町村長」「建設リサイクル・特定粉じん=都道府県知事」「仮設緩和許可・安全上の措置等計画届=特定行政庁」「道路使用=警察署長」は常連。届出ごとの正しい提出先・期限を照合してください。

次に確認するページ

出典・参考(実ページで確認)

  • 機械等設置届(足場・クレーン・型枠支保工等)=労働基準監督署長へ着工30日前、建設工事計画届(石綿解体等)=14日前:労働安全衛生法第88条
  • 特定建設作業実施届出書=市町村長へ作業開始7日前:騒音規制法・振動規制法/特定粉じん排出等作業実施届=都道府県知事へ作業開始14日前:大気汚染防止法
  • 建設リサイクル法の届出=都道府県知事(政令市は市長)へ着手7日前、発注者が届出:建設リサイクル法第10条/仮設緩和許可・工事中の安全上の措置等計画届=特定行政庁:建築基準法
  • 道路使用許可=警察署長(道路交通法)/道路占用許可・特殊車両通行許可・歩道の切下げ承認=道路管理者(道路法)/消防用設備等設置届=消防長・消防署長へ完了後4日以内(消防法)
  • 建築技術教育普及センター「一級建築士試験 学科の試験 学科V(施工)問題」各年度、正答は同センター公表の正答肢による
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編集・解説

建築士試験 解説ノート編集部

建築業界の実務経験をもとに、一級・二級建築士試験の「施工」を過去問の問われ方から整理しています。運営者情報

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